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6.夜尿症のはなし


修学旅行や宿泊学習の季節になると、子供を連れた母親が、泌尿器科を訪れます。本人のみならず、母親も落ちつかず悩みに悩んで来院した感じです。夜尿症 は、眠っている間に尿をしてしまう状態をいいます。昼寝をしていてもらしてしまうのも夜尿です。男子の方が女子よりも多く、約2倍です。
  何歳から夜尿症と呼んで、「困った状態」として扱うか、はっきりしたきまりはありません。三歳時検診で、問診表に夜尿があると答える率は、約5%です。私 は、夜尿症として扱う年齢の下限を4歳に置いています。しかし、4歳からは病気として考えるということではありません。夜尿があっても、誰も困らないので あれば、困る時までは「夜尿症」ではありません。
  夜尿症のしくみについて、お話しします。一つの基本は、「夜尿症=深い睡眠+短い尿間隔」という大きな枠組があるということです。夜尿は、決して単一の原 因で起こる病気ではないということです。ところで、夜尿症を起こす、器質的疾患として、異所性尿管、脊椎二分症があります。
次に、機能的夜尿症について少し詳しくお話ししたいと思います。

中枢神経抑制低下型
  昼間遺尿をともなう子供さんは、約20%もおります。そして、昼間遺尿がなくとも、昼間の尿間隔が短い子供さんが多くいます。それは、中枢神経系の膀胱に 対する抑制力の低下を示していると考えられます。または、膀胱自体の筋肉の緊張が強い状態を示しています。
  睡眠に入ると、大脳皮質の活動レベルは低下します。そして、膀胱に対する抑制刀が低下し、尿間隔は短くなってきます。そして、シャーと尿をしてしまうので す。抑制力が幾分でてきますと、タラタラと尿をするようになってきます。この場合、治療薬は、三環系抗うつ剤、抗コリン剤を使用します。その効果 は、自分で夜起きて尿をするようになることと、排尿と排尿の時間の延長をもたらすことです。難しい名前の薬ですが、薬の量 は、非常に少なく、副作用は、全く心配しないで良いと思われます。 また、私は、漢方薬での治療をやっております。体質改善として本当に有効であると考えております。

抗利尿ホルモン夜間分泌低下型

 抗利尿ホルモンとは、脳の下垂体前葉で作られ、尿の生成をおさえるホルモンです。このホルモンは、成人では、夜間の方が昼間より高くなるのですが、夜尿 症の小児では、夜間の分泌が低いため、夜の方が昼よりも多く尿がつくられてしまうこともあります。
  この場合、抗利尿ホルモンを使用する場合があります。また、夜尿症の子供さんを持つ母親は、「この子は、知能が低いのでは」と、心配されますが、全く関係ありません。ご安心ください。最後に、生活上の注意についてお話しします。
  まず、基本的には『起こすな、怒るな、気にするな』です。起こすなとは、実際は、子供が夜尿する前に起こして、本当に覚醒させてトイレで排尿できれば良い のですが、まず無理と思われます。逆に、覚醒していない状態(寝ぽけている、翌朝起きてトイレに行ったのを覚えていない状態)で、排尿させることは、ふと んとトイレの違いだけで、親がふとんを乾燥させる手間がなくなるだけです。夜尿をすすめているようなものなのです。
  怒るなとは、何故、子供に夜尿が始まったのかということです。大半が、母親の排尿のしつけに問題があるのです。それは、強制排尿という言葉がありますが、 おむつを取る頃のことを思い出してください。出来るだけ、子供が失敗しないようにと、子供の尿の肪胱充満度に関係なく、尿があまりたまっていないのに、便 器に座らせたりしませんでしたか。子供は、尿をしたくないのに無理に出しているのです。その習慣性として、夜尿が起こったのかもしれないのです。子供を 怒ってはいけない理由がわかったと思います。親の怒りは、子供の心身の成長に大変なストレスとなります。くよくよしないでください。
  水分摂取の問題ですが、寝る3〜4時間前から水分の摂取をひかえるように指導しています。当然、くだものも尿量 を増加させます。なぜ、3〜4時間かと言いますと、水分を摂って、それが消化管で吸収され尿となるのに3〜4時間かかるのです。夜尿症で困っている人がお りましたら、一度外来へ相談にいらしてください。また、話しが変わりますが、笑ったり、重いものを持ったりすると尿が少し漏れてしまうという人が、たくさ んいると思われます。そのような方も、お薬で充分に治療が可能です。一度、相談にいらしてください。

 

鈴木皮フ泌尿科クリニック 診療科目 泌尿器科・内科・小児科・皮膚科・性病科 宇都宮市柳田町1284-1TEL028-660-2022