鉄砲を持つと引き金を引きたがる心理と同様、男の狩猟本能が目覚め多かれ少なかれパートナーを換えたがる。そんなこんなで余計なお荷物（性病）を背負ってご帰宅となる。
性病には、法律で定められたものに４つある。梅毒・淋疾・ソケイリンパ肉芽腫・軟性下疳の4つである。
最近では、4つの法定性病以外の性交渉によって感染する病気を性病と呼ぶようになった。クラミジア感染症・カンジダ感染症・B型肝炎・尖圭コンジローマ・ケジラミ・伝染性単核球症・性器ヘルペス・アメーバー性赤痢・トリコモナス症・インキンタムシ・疥癬・AIDSまで広く含まれている。
なぜWHO（世界保健機構）は、性感染症を広義にしなくてはいけなかったのか、それは、航空機の発達で旅行者が増え一瞬にして性病が各地に蔓延し、世界的風潮として性の解放が進み、性病の感染の機会が増加し、それにも増して、その発見・治療が遅れる傾向にあること。抗生剤の乱用で、耐性菌が出来やすくなり治療しにくくなったこと。性愛のバリエーションが増え、今までに考えられない臓器への感染や新しい病気が出てきたことが挙げられます。わが国も例外ではなく、年々性病患者は増加しています。
そろそろ各論に入りましょう。実際、どんな症状で始まるのか男性編・女性編に分けて話しを進めてみましょう。
まずは、男性編からお話しましょう。

�@オシッコをすると痛い・ウミが出る
オシッコが痛くて出づらい。痛痒い感じがする。「淋菌性尿道炎」・「クラミジア感染症」が考えられます。「淋病」の場合は、焼け付くような痛みでクリーム色のウミが出てきます。「クラミジア」の場合は、痒みや軽い痛みを感じます。ウミは水っぽくサラッとした感じです。症状がハッキリしないため、そのままほおっておく人も多いです。そのため、知らないうちにパートナーに感染させてしまうケースも多いです。「クラミジア感染症」は、今、若者を中心に蔓延しています。白い下着をつけて異常がないか確認してみるのも一つの方法かもしれません。早速、明日白い下着が売れるかもしれません・・・

�Aペニスにしこりが
ある日ペニスに何かしこりを発見。痒くもないし、痛くもない。この時は要注意。「梅毒」・「尖圭コンジローム」・「軟性下疳」を考えます。赤いしこりが出来たら「梅毒」の第一期。感染後3ヶ月過ぎて痛くもない痒くもない赤いしこりが出来て数週間で消えてしまう。知らないうちに治ってしまったと大勘違い。大変なことになります。「尖圭コンジローム」は、カリフラワーのミニチュア版のような形をしていて、痛みもないため放置している場合が多くみられます。「軟性下疳」は、赤い小さなしこりに痛みを伴い段々大きくなって、数も増えてきます。

�Bペニスが痒い
ヒリヒリした痒みで、水泡から潰瘍状になってくる「性器ヘルペス」。「ケジラミ」は、白い下着を着けていると、赤い出血斑が点々と下着に付きます。陰毛には白い卵の殻が付き、小さい虫が見られます。血を吸われることで痒みを感じます。カビに拠るものとして「インキンタムシ」・「カンジダ症」がある、「インキンタムシ」は、境界線のはっきりした湿疹である。汗を良くかく人に見られ当然感染する。「カンジダ症」は、女性から感染することが多い。共に夜暖まると痒さが倍増する。線状に盛り上がりが出てきた場合は、「ヒゼンダニ」である。

�Cペニスが痛い
「性器ヘルペス」・「軟性下疳」の二つが考えられます。

�Dオシッコの色がおかしい
性感染症で尿の色が変だと思って来るようでは、ちょっと遅すぎます。「淋病」でも血が混じって出てくることがあります。でも、その前からオシッコの時痛いはずです。体がだるくて、吐き気や良く眠れないことがあって、尿の色が赤茶色の時は、「B型肝炎」を疑います。入院してじっくり治してください。

�E股の付け根のリンパ腺の腫れ
「ソケイリンパ肉芽腫」は日本では殆ど見られなくなった性病ですが、リンパ腺が腫れ数が増えて潰瘍になってきます。「軟性下疳」も日本では少ないですが、海外から持って来てしまうようです。「性器ヘルペス」でもリンパ腺の腫れが見られます。

�Fペニスにイボ
「尖圭コンジローム」最近増えています。

�Gペニスに水疱
「性器ヘルペス」が考えられます。

�Hペニスが赤く腫れる
「淋病」を治療しないでいると、悪臭を伴うウミとともに亀頭が真っ赤に腫れてきます。「クラミジア感染症」もほおっておくと副睾丸炎を起こして陰嚢が腫れてきます。